人工内耳と映画と音楽

あっという間に今年も終わりですね。

私は今日から実家に帰省です。奥さんの実家(関西)と私の実家(関東)にそれぞれ帰ることになっているのでこれからかなりのハードスケジュールになりそうですが、まあどちらの両親もいい歳なので帰れる時に帰っておかないといつ何があるか分かりませんからねえ。

ということで、今年最後のエントリは人工内耳と映画と音楽について書いてみようと思います。

映画

先日、人工内耳をしてから初めて映画を観ました。

ということで、とにかく音量が大きすぎて聞きづらかったというのが率直な感想になります。リモコンを持参していれば音量の調整も可能なんですが、音の切り替えが今のところは通常の場合と補聴器を使用する場合の2つしかないので、普段はほとんど持ち歩かない状態だったのが敗因ですね。

ただ、音量は別として、音質面も少し音が籠もった感じがしていて、音量を調節してもこのままだと聞き取りづらいかもしれないなと感じました。補聴器の時はどうだったかというのがもはや忘却の彼方なのでちょっと比較するのは難しいですが、少なくともここまで籠もった感じでは聞こえていなかったと思います。この辺は、まだまだマッピングによる調整の必要があるというところでしょうか。

音楽

人工内耳+補聴器

以前のマッピングで補聴器使用のマップを作成してもらいまして、それで音楽をなるべく聞くようにといわれているので、時間がある時は音楽を聴いています。人工内耳のみと人工内耳+補聴器でどう違うかというのは以前のエントリに少し書きましたが、そこから大きな変化はありません。

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一応、125Hz~500Hzまでは補聴器、1000Hz以降は人工内耳という形でそれぞれの出力を調整しているんですが、鼓膜から聞こえる音が以前と違ってしまっているので、併用してもうまく聞こえないことの方が多いですね。STの先生によると、500Hz~1000Hzの間の音をどう調整するかが難しいとのことでした。

しかも、人工内耳は大体30db~40dbの間で調整しているのに対して、補聴器での補正はそこから10dbほど下がっている状態なので、補聴器をもう少しパワーのあるものにしないと全体のバランスが取れないです。つまり、人工内耳でちょうど良いボリュームでは補聴器へは音が入っていかないので、もう少し上げないといけないんですが、上げてしまうと人工内耳へ入る音が大きすぎて補聴器からの音がかき消されてしまうという状態になってしまいます。

ただ、不思議なことに、人工内耳でちょうど良いボリュームで両耳に補聴器をすると、左耳の方へは補聴器を通じて低音が聞こえているようです。気がするだけなのかもしれませんが。

人工内耳のみ

人工内耳で音楽を聴く場合、音階が分からないということは良くいわれますが、音階が分からないということがどういうことか分からないので(苦笑)、ひとまず聞いたことのある曲は以前と同じようには聞こえていると思います。ただ、ちょっと機械的な乾いた感じに聞こえているような気もします。あるいは高音が響いて聞こえるという感じでしょうか。ちょっとドラムのシンバルの音が刺さって聞こえたりするので、やはり高音部分の聞こえがどうにも安定していないのかな、と思います。

聴いたことがない曲は、何となくメロディーを聞くことはできますが、覚えられないですね。

あ、そういえば人工内耳を装着してから店内のBGMとかで知っている曲が流れると割と分かるようになりましたね。これは嬉しかった。もっともイントロからすぐというわけではなくて、ふと気がつくという感じですけれども。

音楽を聴く環境

私の場合、音楽を聴く環境としては、

と3通りあります。自宅のPCからスピーカー経由で聴くのは、音量の調整も楽だし、聞きやすさという意味では一番でしょうか。車で聴く時は、ロードノイズとかエンジン音、あるいは対向車などさまざまな音が入ってくるので、だいぶ聞きづらいです。知っている曲ならまだしも、ラジオとかだと何言っているのか全然分からないです。

で、最後のスマホで聴く場合ですが、メドエルの人工内耳の場合は、スマホの音をBluetooth経由でサウンドプロセッサに送る方法はないので、Bluetoothネックループという機器を使用して、スマホからBluetooth経由で音を受け取り、それをテレコイルで人工内耳へ送る形になります。コクレアだとワイヤレスアクセサリが充実しているので、その辺は羨ましいところですね。

さて、そのBluetoothネックループですが、スマホとネックループのペアリングをして、リモコンでMTかTにして音楽を聴くことになります。ネックループはそのまま首にかけて使用するので、入ってくる音それ自体は比較的安定しています。音質も十分だと思います。ワイヤレスアクセサリの場合は、そのアクセサリをどこに置いておくかが割と問題になったりすることがありますが(例えば、胸のポケットに入れておくのはいいけど、ズボンのポケットに入れると途切れたりすることがあったりする)、これは基本首にかけて使用するしかないので、そこら辺の心配をしなくて済むのはメリットでしょうか。

首にかけるとこんな感じです。そんなに大きくなく厚みもないので、シャツの中に入れても目立たないと思います。

ただ、理由はよく分かりませんが、スマホのボリュームは消音から1メモリだけでもとにかく大きく音が入ってくるので、そこはちょっと困りものです。サウンドプロセッサのリモコンで音量を下げればいいんですが、下げてもそんなに変わらないんですよね…。

そんなこんなで、長くなりましたが今年最後のエントリでした。 来年もよろしくお願いします。

マッピング(10回目)

気がついたら今年も残すところあと10日あまりとなりました。

手術して人工内耳を装着してからは3ヵ月ほど経ってますが、さしたる問題もなく順調な経緯なもので、書くことがどんどんなくなってきています(苦笑)。前回のマッピングから日常的な場面における聞こえの変化はあまりなくなっています。

ただ、映画を見に行ったりとか音楽を聴くようにするとかそういうところで日常会話とは別に聞こえについて考える機会はあったので、そこら辺はそのうちまとめようと思います。

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スマホ用にこんなのも購入はしています。レビューはそのうちに。

マッピング

さて記念すべき(?)10回目のマッピングです。

が、今回は人工内耳の調整らしい調整はほとんどありませんでした。高音が相変わらず入りすぎているというのを下げただけ終了しました。音を聞いて調整するというのをやらなかったのは今回が初めてですね。それだけ安定しているということなんでしょうけど。

検査、検査、検査

で、今回のメインは、装着後3ヵ月を経過したということで、検査でした。

今回の検査はというと、

  • 聴力検査
  • 語音明瞭度検査(1音)
  • 語音明瞭度検査(2音)
  • 単語検査(静寂下、騒音下)
  • 文章検査(静寂下、騒音下)

と盛りだくさんで、かつ聴力検査は、裸耳、人工内耳+補聴器、人工内耳のみでそれぞれ検査をし、語音識別検査は、人工内耳+補聴器と人工内耳でそれぞれ検査をしました。

語音明瞭度検査の1音、2音というのはほかに適切な言い方が分からないのでそのように書いてますが、要はかな1字の検査とかな2文字の検査をやったということです。かな2文字といっても言葉ではなく適当な組み合わせということだったんですが、少なくとも自分には全部「あ○(○には適当なかな1文字が入る)」と聞こえました。それが正しいかどうかも分からないんですが、問題は「あ」が最初に来ると次の音が「あ」に引きずられてしまって何言ってんだかさっぱり分からないということでした。

ちなみに正答率が50dbで60%程度だったようで、これは人工内耳+補聴器でも人工内耳でもどちらでもほぼ同じだったようです。いいのかどうかは分かりませんが、手術前の検査では補聴器着用で60dbで60%だから10db分は良くなっているということにしておきます(笑)。

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そして、単語検査と文章検査ですが、これはその名の通り、単語と文章を聞いて、その通りに答えるというものです。単語の方は結果を聞きそびれましたが、文章検査は、静寂下ならほぼ100%だったのではないかと思います(細かい部分の間違いはあるかもしれませんが、文意を正しく捉えられたという意味で)。STの先生も少し驚いていましたしね。

騒音下になると言葉の一部が聞き取れなくなってしまいますが、これはある程度までは仕方がないと割り切りたいと思います。リハビリでどこまでを目指すのかというのはちゃんと話を聞いていないので分かりませんが、さすがに騒音下で100%の聞き取りを目指すというのは現実的ではないような気がしますしね。いや目指した方がいいんでしょうけど。

正確な検査結果は次回のマッピングで教えてくれるそうです。これをベースに語音識別のリハビリとかやることになるんですかね。

左耳の手術の日程

前回のマッピングの際に出した手術日の希望に対して、回答がありました。ひとまず3月の第1週を押さえてもらえたようです。

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次回の主治医の診察が1月末なので、その時に確定させることになるのだと思いますが、なんか止めてくれる人が誰もいないままにどんどん話だけが進んでしまっているような感覚に襲われていまして、本当に両耳人工内耳にした方がいいのかどうか、少し考えています。

でも自分のQOLを考えた時にどうするのがベストなのかという話なので、自分で決めるしかないんですけどね。

マッピング(9回目)

今日は3週間ぶりのマッピングで病院に行ってきました。

この間は、聞こえに関してはほぼ安定していて、日常生活で困るような事態はほとんどありませんでした。聞こえに関してはね。

ただ、

というような経験をしたりとか、混んでいるエレベーターで壁側に頭をつけたら磁石が持って行かれて、壁にきっちりと張り付いてなかなか取れなくて冷や汗をかいたりとかはありました(苦笑)。これは相当恥ずかしいです。すでに2回ほどやらかしてしまっているので、3回目がないように注意したいところですね。

マッピング

さてマッピングですが、今回は、通常の音の調整のほか、補聴器を同時に使用するためのマップの作成も行いました。

まず最初に現在の裸耳での聴力を測定したんですが、左耳は手術前とほぼ同様で、右耳は左耳よりも10db~20dbほど落ちているという感じでした。オージオグラムはもらえなかったんですが、手術後に何度か測ったのとほぼ同様とのことでした。

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手術前に測定した裸耳のオージオグラム。今回は、右耳の低音部分の聴力が10db~15dbほど下がってました。

その後、いつも通りに小さい音を中心に調整を行いました。今回も聞こえたり聞こえなかったりでいつになったら安定するのかさっぱり分かりません。相変わらず人工内耳だと8000Hzが入りすぎている(20db)けど4000Hzが落ちすぎている(50db)とか言われるし。今日はなんかやっている途中で眠くなったりしたから、そのせいかもしれませんけどね。

通常通りの調整をした後に、現在の裸耳の聴力に合わせて低音部分をカットしたマップを作成してもらいまして、別に調整してもらった補聴器と人工内耳を同時に装着して音を聞いてみました。率直にいって、補聴器の音が全然入ってこないので、単に低音部分がカットされた人工内耳の音しか聞こえない感じです。また、自分が話す時は補聴器の音と人工内耳の音が別々に聞こえてくるので、ものすごく変な音になります。

これは個人的には予想通りでもありまして、というのは手術後右耳の裸耳での聞こえはものすごくおかしくなっていて、音の高低が全然分からなくなってます。というか全部高い音に聞こえるようになってしまっているんですね。そういう状況なので、オージオグラムではそんなに下がっていないといわれても、聞こえている音は全くこれまでと違う音になっていて、それは補聴器で補正しようともどうにもならないのではないかと思っています。

先日の診察の際に、主治医にも手術の後、裸耳で聞こえる音が変わるということは、蝸牛に電極を入れる以上、ありえない話ではないということも聞いていますし、人工内耳での聞こえに不満はないのでそんなにショックはないんですが、残存聴力に期待してメドエルにしただけに、若干不満が残る結果には鳴りました。

というようなことをSTの先生に話したところ、

ST:「そうですかあ。補聴器を併用した方が音がまろやかに聞こえるという人は結構いるんですが、あなたの場合は、人工内耳に慣れちゃっているのかもしれませんね」

私:「補聴器を併用すると音がまろやかになるんですか? 今は思いっきり機械的な音ですけど。そう言っている人って、もしかして人工内耳に慣れるのに苦労したとかないですか?」

ST:「うーん、その辺はよく分かんないけど、ただそう言う人は音楽をやっていた方が多いですねえ」

私:「ああ、音楽とは無縁の世界に生きてきたんで、そういう細やかな音に対する感受性ってないかもしれないです」

ST:「(笑)。まあものは試しにってことで、音楽を聴いてみてどう違うかだけ教えてください」

私:「音楽もたまに人工内耳で聞きますけど、知っている曲なら割と普通に聞こえるんですけどねえ」

ST:「まあそう言わずに(苦笑)」

とまあこんな感じです。無理に併用しろって話でもないので、たまに併用して音楽を聴くぐらいはしようかと思います。ずっと補聴器してたら鼓膜から聞こえる音が元通りになるかもしれないですしね(多分ないけど)。

左耳の手術の日程調整

前回のマッピングの際に、左耳の手術についてひとまず日程を調整しようということになっていまして、仕事の都合から来年3月ぐらいを目安に調整しました。

右耳の手術の時もそうでしたが、私が通院している病院では、手術の日程は、医師に限らず誰かが押さえてしまえば良いようで、押さえてから主治医に確認されるという形でした。ということで、今回は3月中の希望日程をひとまず出して、10日後にまたマッピングがあるので、その時に日程を確定させるということになりそうです。

主治医の診察は1月末なので、そこで最終決定になるのかな。まあ、仕事の都合で問題が出ればいつでもキャンセルはできるようなので、取りあえずという感じでしょうかね。

しかし、人工内耳という選択肢を知ってから半年で両耳に手術をすることを決断するとはねえ。自分でもビックリだわ。

「人生の途上で聴力を失うということ」

先日から「人生の途上で聴力を失うということ――心のマネジメントから補聴器、人工内耳、最新医療まで」という本を読んでいまして、昨日読了しました。

人生の途上で聴力を失うということ――心のマネジメントから補聴器、人工内耳、最新医療まで

もともとは、人工内耳の手術の前に購入してまして、入院中に読もうと思っていたんですが、耳鳴りが酷かったりして本を読むだけの集中力がなかったのと退院後は仕事やら何やらで割と忙しかったので、読了までずいぶんと時間がかかってしまいました。

著者はニューヨーク・タイムスの編集者かつライターの方で、おそらくは突発性難聴から失聴へと至るまでの自身の心理状況や補聴器や人工内耳の装着について、またアメリカを中心として現在難聴者へ対してどのようなケアが行われているかの取材などをまとめたものです。合間には、さまざまな難聴者の方のエピソードもあります。

一読した感想としては、端的に「難聴に対してどう感じるかは人それぞれ」ということでした。

著者の方は中途失聴なので聞こえていた自分と聞こえない自分とのギャップに相当苦しんでいて、うつ病も発症していたようですが、私の場合は本当に時間をかけてゆっくりと聞こえなくなっていったので、そこに大きな違いがあるなと感じました。

もちろん、私にしても著者の方と同様に、場面場面で聞こえないことに対して恥ずかしい思いをしたりとか、聞こえているふりをしている自分に嫌気がさしたりするとか、そういうことは多々ありましたが、私にとって会話でのコミュニケーションというのは、最終的に自分の目的を達成することが重要で、それが達成できれば細かい聞き間違えや聞き返しがあったとしても、すべての会話で一字一句間違えずに完璧に聞き取ることなんて健聴者でもできるわけがないんだから大した問題ではないと割り切ってしまっているので、ここまでの心理的な葛藤はなかったですね。

なので、著者の難聴に関する自分の心理の描写については少々うんざりするところもありましたが、それでもジャーナリストとして「なぜ聞こえなくなったのか」「どうやったら聞こえるようになるのか」についていろんな専門家へ話を聞きにいってまとめたその取材力には感嘆しました。今難聴の治療や聴力回復のためにどんなことが研究されているのかを知るにはいい本だと思います。

ただ、難聴者の人向けというよりは健聴者の方が難聴者がどんな気持ちで生きているかを知ってもらうための本であるようにも思います。そういう意味では、TwitterのTLで話題になった、「寂しいのはアンタだけじゃない」と近いのかもしれません(こちらは未読ですが)。

最後にものすごく気になったこと。著者は表紙では「ブートン(Bouton)」と記載されているんですが、本文では「バウトン」となってます。英語の発音的には「báʊtən」なので後者の方が正しそうですが、どちらが正しいとかではなくて、この辺はきちんと統一して欲しかったですね。

さまざまな環境下における聞こえ方について

人工内耳も8回のマッピングを経てだいぶ安定してきたので、日常生活面で困ることはほぼなくなりました。まだたまに遠くから聞こえてくる小さな音が「ポンポンポン」となっていることはありますが、別に聞く必要もないので気にしないようにしています。

最近はあまり聞こえの状況についてまとめていなかったので、少しまとめてみたいと思います。

仕事関連

仕事で一番問題になるのが会議ですが、「いま何の話をしているか」という点に関してはほぼ問題なく把握できていると思います。ただ、まだまだ集中していなければならないので、ちょっと気を抜くとすぐに何の話をしているか分からなくなってしまいますね。この辺は補聴器の時からさほど変化はありませんが、両隣とコソコソ話をするのは楽になりました(笑)。小さな声でもきちんと拾えているということでしょうね。

飲み会など

飲み会などの騒音下での会話については、最近だと居酒屋で3名での飲み会がありました。これは、日本代表のサッカーの試合を肴に飲むというものでしたが1、3名ぐらいだと自分の右側に1人、向かい側に1人という形であれば周囲が相当うるさい状況でも会話にはほぼ不自由しませんでした。これは長年の気の置けない友達との飲み会で、彼らの話し声には慣れているからというのも大きいかもしれません。

サッカーの試合は大画面のテレビで放送されていましたが、これはアナウンサーの声とかそういうのは全然分かりませんでした。歓声やホイッスルの音はちゃんと聞こえてました。テレビに関しては、騒音下だからというよりも、自宅の静かな環境でも同様でして、音はしっかり入ってきてますが、聞き取りはノイズというか音が割れているというかそういう感じに聞こえているので、まだまだ難しいです。

別な日には、ホテルの宴会場での立食パーティのようなものに参加しました。そこでもそこそこ会話はできましたが、話をしている相手の位置が私の左側だと右耳が会場の騒音の方を拾ってしまうので、その際は会話に苦労することになります。

で、先週は早めの忘年会がいくつか開催されたので参加してきましたが、同じ騒音下での会話といっても少人数であればいいんですが、人数が多くなると席の位置にもよりますが、端の方から話しかけられてもちょっと厳しいですね。少人数なら皆同じ話題で話をしていますが、ある程度人数が増えると私の右側ではAという話題について、左側ではBという話題についてそれぞれが話をしているような状況になってくると、いろんな声が入ってくるけど自分自身が会話に参加できなくなっていくので疲労感ばかりが増していきます。そして、その脳の疲労が聞き取りを困難にしてしまうようです。

こういうときは、なるべく端に座るようにするのがいいかもしれません。まあ真面目な話しはしていないので、会話に参加できなくても別にいいんですけどね。所詮は忘年会ですし(笑)。

電話と音楽

前回の主治医の診察の際に、これからはもっと電話をかけたり音楽を聴いたりするようにといわれています。

電話については職場でもプライベートでもあまりする機会がないので、音楽をちょっとずつ聴くようにしています。PCにはスピーカーを接続しているので、そのまま流して聴けばいいんですが、それだとどうしても音が拡散しすぎて聞きづらいので、オーディオ接続ケーブルを試してみることにしました。

この接続ケーブルを使用するためには、専用のバッテリーカバーを使わなければならず、それがずいぶんと胴長なので日常的に使うのは少し厳しい(そしてケーブルも短すぎる)んですが、たまに聴く分には十分ではあると思います。電話も含めてコードレスで聴くためには、メドエルだとBluetoothネックループというのが出ているので、購入を検討してみます。

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(左)人工内耳にオーディオケーブルを接続したもの (右)通常のバッテリーカバーとケーブル接続用バッテリーカバーの違い

音楽そのものは、知っている曲なら知っているようには聞こえています。もっとも、その聞こえ方は補聴器を装着していた時とは違う音のように感じますし、また健聴者の方と同じようには聞こえていないと思いますが、どう違うかを説明するのはかなり難しいですね。

まあとにかくいろんな環境でいろんな音を聞き続けていって脳に学習させていくしかないので、頑張りましょう。


  1. もっとも私はお酒を飲めません。

マッピング(8回目)

昨日8回目のマッピングをしてきました。

前回のマッピングでだいぶ安定してきたものの、高い音がどうしても響いたりして安定しないので、その辺を中心に調整しましたが、相変わらず小さい音の聞こえが良く分かりません。最初のうちはいいんですが、だんだんと耳鳴りなのか調整の音なのかが分からなくなってしまいます。

無理に聞こうとせずにリラックスした状態で聞こえない時は聞こえないという割り切りでやることが必要だと思うんですが、気持ちとして「聞こえている」という感覚を欲しがっているのは確かです。ここら辺をしっかり調整できれば聞こえてくる音の質も変わってくると思うので、地道にやっていきたいと思います。

調整自体は15分足らずで終了するんですが、調整直後のオージオグラムの数値が8000Hzだけ10dbとなってしまいました。最初のうちは、私が音を聞くやり方の調整を2度、3度とやりましたが、8000Hzを30db~40dbの範囲内へと下げようとすると隣の4000Hzも引きずられてしまい、40db以下に落ちてしまったため、最後はSTの先生が人工内耳だけ持って調整する形になりまして、5回目ぐらいでようやくすべての音が範囲内に収まりました。

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今回(左)と前回(右)のオージオグラム。だいぶフラットなグラフになってきたと思います。

マッピングが終わった後、次回のマッピングでは、左耳の補聴器の調整もやっていくという話になったので、ついでに両耳に人工内耳をする件について少し相談してみました。両耳に人工内耳をするメリットは

  • 音が立体的に聞こえること
  • より大きな音で聞き取れること
  • 音の方向性が分かりやすくなること

で、デメリットは

  • 感染症のリスクが倍になること(手術時だけの話なのか手術後も含めての話なのかは分かりません)
  • 手術費用がかかること(私の場合は保険適用ではありますが、更生医療の適用がなく、高額療養費のみの適用なので割とかかります)
  • 消耗品などの費用が倍になること

といったあたりだそうです。金銭的な負担に耐えられるのであれば、メリットの方が大きいですかね。まだ決めたわけではありませんが、次回のマッピングの際に、手術のスケジュールを相談してみる予定です。

主治医の診察(両耳人工内耳について)

音入れしてから2ヵ月ほど経過しましたが、音の聞こえ方はだいぶ安定してきたと思います。

最近は、左耳の補聴器全く装着していません。左耳から音が入ってこなくても生活面では問題を感じなくなりました。それで、耳の中に何も入れないなら耳を出してもいいかなということで、何十年振りかに髪の毛を切ってさっぱりしました。

本当はここまで切るつもりはなかったんですけどね…(苦笑)

補聴器をするようになってからは髪の毛で耳を隠して生きてきたので、これだけさっぱりすると全く別人のようで、切ったのは先週の木曜日でしたが、今日までの10日で会う人すべてにイジられてました(笑)。でも写真で見て分かるように、人工内耳はほとんど見えないので、皆さん口を揃えて「なんで切ったの?」と言われまてました。補聴器しなくなったから、などと正直に答えるつもりはなかったので、適当に誤魔化してましたが、見た目の印象は悪くないようでまあまあ良かったです。

今週の水曜日に主治医の診察がありました。

経過は順調で手術跡の方も全く問題がないということで、10分程度話をしましたが、ほぼ雑談でした。右耳の裸耳の聞こえが聴力レベルとは別に何かおかしいという話もしましたが、電極を蝸牛に入れる以上、裸耳での音の聞こえ方が変わるのはあり得る話だということでした。今となっては残存聴力を気にする必要もほとんどなくなってまして、経過が順調であるということは本当にありがたいことです。

また、聞き取りに関しても、

と、こんなツイートをしていますが、本当に実感として聞こえてきているような気はしています。もちろん100%聞き取れるというようなことはなくて、せいぜい60%ぐらいだと思うんですが、それでも話の流れや読話でフォローできる部分も多いので、人と会うのに無駄な緊張をしなくてもよくなりつつあります。もちろん状況にもよるんですけれど。

また、診察の際にはこんな話も出てました。

右耳の手術の前に主治医からは、両耳が保険適応で手術できるということ、両耳に手術をする場合、一方の耳を手術してからどれぐらい期間を空けるかについては特に決まりなどはないということは聞いてまして、それに今回の話を合わせると、私が希望するならいつでも手術はできそうな雰囲気ではあります。

この日の話で聞いたのは、両耳にした方が聞こえの安定感が増すということで、特に音が聞こえてくる方向への理解が容易になるということでした。これは補聴器を長年両耳に装着してきて実感していることでもあるので、全くその通りだと思います。

なので、あとは自分の決心次第というところでしょうか。高額療養費の限度額認定証が来年の6月で切れるので、取り直すのも面倒なのでそれまでに受けてしまうのがいいかというのはありますが、仕事のタイミングなどもあるのでもう少し考えてみようかと思ってます。

次回の主治医の診察がほぼ3ヵ月後なので、それまでに決める形になりますかね。