人工内耳と補聴器

人工内耳での聞こえもだいぶ安定してきたので、最近は左耳の補聴器をせずに一日過ごすことが多くなっています。

音の聞こえの方向性を考えると、左耳からも音が入ってきた方が良いのは間違いないんですが、人工内耳から聞こえてくる音が十分大きいため、左側の真横からの音でも、音が聞こえてくれば振り向くことで対応できるため、なくても何とかなりつつあります。

そんな感じで補聴器を使う頻度がどんどん下がってきているんですが、先日、人工内耳の充電池が切れて、スペアの充電池を持ってきていなかったので、補聴器だけで人の話を聞く機会がありました。その時は、途中までは人工内耳単独で聞いていて、電池が切れてから補聴器単独で聞くという形になりましたが、両者の聞こえの違いがなかなか興味深かったです。

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前提として、私が現在使っている補聴器は、前にも書きましたが、ベルトーンのレジェンドというやつで、カスタムDWというタイプのものです。いわゆるカナル型のものとしては高度難聴にも一応対応可能とうたっています。性能面では、騒音抑制とかBlutooth対応とかMade for iPhone補聴器だとか、最新の技術を盛り込んでいます。人工内耳をするまでは、これを両耳に装着してある程度の会話はできていました。

その前提を踏まえて本題ですが、その時は友達と外で話をしていました。充電池が切れる可能性は分かっていたので、予め補聴器もスイッチを入れずに装着していて、電池が切れてからスイッチを入れてそのまま話をしてました。で、両者の違いですが、まず環境音の入り方が全然違っていて、その時話をしていたのはそこそこ交通量の多い道路沿いのコンビニだったので、車の行き交う騒音が結構あるんですが、補聴器だとこれをうまく抑制してくれます。なので、車の音は気にせずに話をすることができます。人工内耳は、周りの環境音をそのまま拾っている感じになるので、車の音は相当大きな音で入ってきます。

しかし、そうやって大きな音で騒音が入ってきても、面と向かって話をする分には話者の声が騒音を上回る形ではっきりと入ってくるので、それほど大きな問題にはならなかったです。逆に、補聴器だと騒音は抑えられているけど、話者の声はなんかくぐもった感じで聞こえてくるので、以前Twitterマッピングについて話をしていた時に聞いた「音の輪郭」ってこういうことなのかあ、と気づくことができました。

補聴器の頃は、聞こえてくる音をいろんなもの(読話とか想像とか)で補って話をしていて、それで言葉を言葉としてきちんと聞き取れていなくても会話ができていたのが、人工内耳だと、まだまだ調整が必要とはいえ、全部の音が同じレベルで入ってくることで、声が声としてしっかり聞こえてくるということを少し理解できた気がしています。

だたそうやって聞こえてくる音が明瞭になっていても、それを聞いている脳はまだまだ補聴器時代の聞き方を引きずっているところがあるので、音だけを聞いて理解するようなリハビリを進めていかないとちょっと性能の良い補聴器で終わってしまうかもしれないので、今後はそこら辺に注意していきたいなと思います。

毎回そんなことを言っているような気がするのは多分気のせいです(笑)。