東京の病院での診察

紹介状作成と問い合わせ

さて、診察を受けた病院では人工内耳の手術は行っていないとのことで、じゃあどこで受けたら良いのかということについても相談にのってもらいました。

私の実家が関東だという話をしたところ、それならば、地元の病院で受けるか実績のある東京の病院で受けるかの二択なのではないかと言われました。手術に必要な入院期間は最長で3週間程度なので、あとは地元でリハビリも可能であるという話だったので、評判のよさそうな東京の病院へ紹介状を書いてもらうことにしました。

しかし、耳が悪い以外に大きな病気をしたこともないので、紹介状をもらったはいいけどどうしたらよいのか、予約入れたらいいのかとか全然分かりません。たまたま、紹介してもらった病院では、Web上で問合せができたので、ひとまず「手術受けようと思うんですがどうしたらいいですか?」という内容で問い合わせてみました。

おそらく事務的な感じの返信が来るんだろうなと思っていたら、担当の先生から丁寧なメールをいただきました。

メールの内容は、基本的には地元の病院で手術を受ける方がよく、その理由としては、

  • リハビリで頻繁に上京する必要があること
  • 手術した病院でリハビリを行うことが基本的には望ましいこと
  • 私の地元の病院の先生のことも知っているけど、決して悪くない選択肢であること

といったものでした。自分自身としては、なるべく評判の良い先生にかかりたいという気持ちはあるものの、リハビリのことは何も考えていなかったので、なるほどと思いつつ、上京するなら話をする機会は作れますよ、とのことだったので、7月上旬に上京して診察してもらうことにしました。

前日に上京して、朝イチで初診受付をすませてから、まず裸耳での聴力検査がありました。

ざっと見た感じでは、先日の耳鼻科での検査より数値的には更に悪くなっているようでした。誤差の範囲内の可能性もありますけどねえ。

先生による診察

その後先生と話をしました。私の聴力検査の結果だけを見れば、人工内耳の適応であることは間違いないけれども、補聴器と読話である程度まではコミュニケーションが取れていることと、話振り(発音と声量)に問題がないので、人工内耳をせずにおくという選択肢もありうると言われました。

また、自分の聴力に関しては、低音の聴力が比較的残っている(それが読話を含めて会話ができている要因ということらしい)ことから、補聴器装着後に徐々に悪化してきているのではないかということのようです。つまりは老化ってことなんでしょうねえ。

それで、東京の病院で手術を受けることはもちろん可能だけれども、術後になにかしら問題があった場合(感染症など)の対応が難しい場合があるということと、リハビリの初期は特に通院頻度が高くなること(最初の1ヵ月は週1回程度)などから、個人的にはあまりお勧めできないと言われました。

また、人工内耳の手術自体は、開始してから30年以上経っていて術式としては確立されているし、私の地元の病院は比較的早くから取り組んでいるので歴史もあるという話も聞きました。

そこで、先生と相談した結果、ひとまず地元の先生宛に紹介状を書いてもらい、診察を受けてから、どうするかを私自身で決めたらどうだろうかという話になりました。

言語聴覚士の先生との話

その後、言語聴覚士の先生とも話をしました。

先生によると、私の聴力でこの程度話ができる人は珍しくはないけど、そこまで多くはないとのことで、ただ、この場合でも、人工内耳の手術によってきちんと効果は出ているということのようです。

補聴器装着効果については、補聴器を装着した状態で語音明瞭度検査を行って、文章に対する成績が70%程度ある場合には、補聴器の効果があるとみなされるので人工内耳はお勧めできないとも言われました。今回はこの検査はやっていないので、地元の病院でやることになるんでしょうね。

また、手術前の検査に関しては、この病院では検査が1日ですべてが終わることはまずないため、何度か来院してもらう必要があるということもあるので、やはり東京で受けるのは難しいのではないかという話でした。

結論的には、ただ話を聞いただけという感じになったんですが、病院全体の対応も、先生方の対応も非常に良くて、こちらの話も丁寧に聞いてもらえたのでとても有益な時間でした。頭の中に機械を入れるということを考えれば、この先生の話を聞く機会を得られたととは、自分にとっては人工内耳を手術の決断をする上では非常に大きな意味があったと思っています。